昆虫大学オリジナル測量野帳が入荷しました

昆虫大学のオリジナル測量野帳が入荷しました。

表紙には第一回昆虫大学のときの校章が箔押しされています。(昆虫大学はテーマに合わせて毎回校章が変わるのです)

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コクヨ測量野帳には3種類ありますが、これはスケッチブックです。3mm方眼。

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コクヨ測量野帳は、発売から50年以上、変わらぬスタイルで販売を続けているロングセラー商品です。屋外で片手に持って筆記しやすいように硬い表紙を採用しており、現場の方々に昔から愛用されています。普段からフィールドノートとして使っている生き物屋さんも多いのではないでしょうか。

少々値は張りますが、ちょっと特別なフィールドノートして使ってみてはいかがでしょうか。

通販にも掲載しましたので、ご注文はこちらからどうぞ。

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テントウムシのドミノ

啓蟄も過ぎ、少しずつ日差しが暖かくなってきました。冬眠していた虫たちも動き出す季節です。

 

こちらはテントウムシの形をしたドミノ。IRISAというチェコの会社が作った製品です。1985年の刻印が捺してあるので、当時はチェコスロバキア社会主義共和国ですね。

多少の色あせや箱の傷みはありますが、なんとも愛らしいドミノです。丸っこいのでドミノ倒しはできません。

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日本人にはあまり馴染みのないドミノ、いろいろな遊びかたがあるようです。店主もやったことないのですが。

ドミノ牌には[5,2][3,3]のように、2つの数字が書いてあります。基本ルールは、[3,1][1,5][5,6][6,0]…といった感じで、しりとりみたいに牌を時計回りに並べていき、最初に手持ちの牌がなくなった人が勝ちです。

下の写真の場合、次は右上のドミノを[0,3]の向きに並べればOK。さらに次のひとは、どちらかの翅に3つ紋のあるテントウムシを場に出します。持ってなければ次のひとへパス。

頭の向きは関係なさそうです。第一、普通のドミノには頭なんてありませんし。

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ドミノに書かれる数字は0~6で、牌の数は目の組み合わせと同じ28個です。ドミノの種類によっては0~9の物もあり、こちらは総数55個。

今回のテントウムシ・ドミノは古物なので欠番があるかもしれないと思い、すべて並べてみました。…あれ? 牌が34個もあります。

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白いボタンを置いた部分は欠番と思しき箇所。なぜか目が0~7まであるし(7の段の欠番は緑のボタンで表しています)、左下の3個は本来なら不要な牌です。どういうこと?

テントウムシの群れを前に考え込んでしまいましたが、全ての牌を使い切る遊び方はあまりないので、支障はないはずです。いっそのこと、新しいルールを考えてしまってもいいかもしれません。

どなたか、遊んでみませんか?

ツノゼミ入荷しました

世界には名前がついているものだけでも100万種くらい昆虫がいますが、その中でも極め付きの奇虫がツノゼミでしょう。

まずはこちら、変てこなツノゼミの代表格たるヨツコブツノゼミ

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海外の昆虫を扱った本にはたいてい載っている有名種です。この突起で一体何をしたいのかはよくわかりませんが、こういうなりで繁栄しているからには何かしら理由があるのでしょう。

 

こちらはカサホネツノゼミ

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細長い棘があっちゃこっちゃに伸びています。洗濯物を干すのに便利そう。長い角にも目がいきますが、ツノゼミとしては奇妙なほど眼が出っ張っているのも面白い(たいていのツノゼミは小さな目でうつむき加減です)。角は長いですが視界はよさそう。

 

このHeteronotus属にはハチマガイツノゼミ属という和名が当てられていますが、なるほどハチに擬態している種が多く知られています。

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これはどちらかというとアリに似ていますね。アリには咬んだり針で刺したり蟻酸を吹きかけてきたりするものが多くいるので、捕食者にはけっこう嫌われています。アリに姿を似せる生き物が多いのもそのためです。

 

これはちゃんとハチに擬態していますね。

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君はなんだろうね…やっぱりハチかね?(これも同じHeteronotus属)

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このお二方はもはや何だかわかりませんね。

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奇抜な姿で生き物好きを唸らせるツノゼミたちですが、実際の大きさは数ミリから1cm前後のものがほとんどです。最大の種は2cmちょっとあるものの、それは例外中の例外。当店で初めて現物をご覧になった方はたいてい、「こんなに小さいの!」と驚かれます。大きく写した写真を見慣れていると、どうしてもそう感じてしまうのでしょう。

 

その例外のツノゼミはこちら。Hemikyptha属の一種(たぶんH. marginata)。ちゃんと測っていませんが、20mm以上はあるでしょう。

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冒頭のヨツコブツノゼミが4mmほどですから、この種がどれほど大きいかわかると思います。

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堅牢な体に、長く伸びた角が特徴的です。この角は天敵の鳥が飲み込みにくいように進化したのではないかと思います。

 

現在、うみねこ博物堂の店頭には30種弱のツノゼミ標本があります。いずれも個性的で面白い虫たちですので、ご来店の際はぜひご覧になってみてください。虫めがねもご用意してお待ちしております。

「ハンミョウの生物学」が入荷しました

東海大学出版部の新刊です。

ハンミョウの生物学―ハンミョウ類の生態・進化・多様性.

デイビッド L. ピアソン,アルフリート P. ボグラー著/ 堀道雄・佐藤綾訳.

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これはすごい本です! ホントにすごい。何はともあれ目次をご覧ください。

 

序文
日本語版への序文
 第1章 はじめに
  ハンミョウ研究のおもしろさ
  ハンミョウ研究の先人たち
  科学研究におけるハンミョウの価値
第1部 分類的多様性─進化および世界的分布でみたハンミョウ
 第2章 ハンミョウとは
  どの仲間に近いのか
  ハンミョウの特徴
  生活環の各発育段階
 第3章 分類と進化
  ハンミョウ科の分類
  多様性の進化
 第4章 種と種分化
  種とは何か
  なぜ種を問題とするのか
 第5章 遺伝─特異な性決定様式
  染色体と生殖細胞
  染色体の進化と種分化
 第6章 生物地理
  なぜ、ある地域では種数が多く、別の地域では少ないのか
  ハンミョウはどこから、どのようにして来たのか
第2部 生態的多様性─自然環境でのハンミョウ
 第7章 自然を生き抜く
  物理的生息場所の中のハンミョウ
  安定した体内環境の維持
  長期的な環境変化に対する応答
  その他の進化上の問題
 第8章 交配相手の探索と求愛
  性淘汰と雌の選り好みの論理
  交配と繁殖
 第9章 敵からの逃避と回避
  天敵はどんな動物か
  対捕食者形質
  複合的な対捕食者防衛
  防御化学物質─局所的な適応か、歴史的な成り行きか
 第10章 競争者に立ち向かう
  植物と採餌行動
  ハンミョウはどのように競争に立ち向かっているのか
  群集内の共存種の組合せに規則性はあるのか
  ハンミョウの適応放散─何が多様性を促進したのか
 第11章 経済と保全
  経済的な利用価値
  バイオミメティクス(生物模倣)
  保全
  分類群間の比較と統計上の自己相関の問題
  分子レベルの研究と保全
  市民化学者と保全
第3部 生態的多様性と分類的多様性の相互作用
 第12章 今後の研究と統合
  分布パターンの研究
  亜種の研究の必要性
  世界全体での比較
  系統樹の改良とその予測力の強化
  剛毛の配列様式と統合
  気候変動
  結論
付録A ハンミョウの観察と採集
付録B 世界の主な属の自然史
訳者あとがき
引用文献
学名索引
分類名・和名索引
人名索引
事項索引

 

ちなみに判型はB5判です。引用文献は30ページぶんあります。

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原著は「Tiger Beetles - The Evolution, Ecology, and Diversity of the Cicindelids」で2001年に出たものですが、全訳の際に著者側からかなりの量の補足があったとのことで、現時点ではどの言語版よりも多くの最新情報を盛り込んだ内容になっています。しかも訳者のお二人は日本を代表するハンミョウの研究者であり、おかげで読者は最良の訳文で読むことができるわけです。またカラー口絵には、原著にはない生態写真が加わっていて、これも嬉しい点と言えます。

こんなに大盛りな内容で価格は3800円+税! 東海大出版さん、太っ腹ですねー。こんな良い本をお店に置けるなんて、店主は幸せです…。ご来店の際はぜひ手に取って、充実の内容をご覧くださいませ。

ネットでのご注文は以下からどうぞ。

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日本のクモ 増補改訂版が入荷しました

ビギナーからベテランまで、クモ屋さんの間で必携の書とされていた、文一総合出版の「ネイチャーガイド 日本のクモ」。このたび、旧版よりさらにパワーアップした増補改訂版が出版されました。

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新たに20種を追加し、計598種のクモを掲載しています。また、近年の分類学的な変更を踏まえ、掲載順が変更されているほか、クモの網や卵のうの形から種を見分ける方法、環境別の解説など、野外でクモを調べる上で役立つ情報が新たに追加されています。

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このボリュームで5,940円は安い! 本格的にクモを知りたいという方にお勧めの一冊です。

 

野外へ手軽に図鑑を持ち出したいという方にはこちら、「クモハンドブック」。

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バッグに入れていても苦にならないほど軽くてコンパクトな本ですが、身近な場所で見られる代表的なクモを100種、雌雄ともに掲載しています。識別しやすい鮮明な白バック写真も魅力です。野山歩きのお供にぴったり。

 

いずれもうみねこ通販に掲載しておりますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。ご注文は以下からどうぞ。

うみねこ通販--新本

 

  

 

アイスの袋たち

あまり売れないのにガラスばっかり無駄に集めてると言われているうみねこ博物堂ですが、そんなことないですよ! 大丈夫です。最近は紙ものも少しずつ仕入れていますから!(論点のすり替え

最近のお気に入りはアイスの袋です。ぺらぺらの薄い紙袋で、多くは昭和30~40年代のもの。

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アイスドリヤンって何だろう…。

 

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淀んだ目つきのペンギンが味わい深いです。

 

アイスの袋にはペンギンがしばしば登場します。これは可愛いですね。

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「高級」と付けたとたんに高級感がなくなるというパラドックスってありますよね…。

 

ロケットや宇宙ステーションが子供たちの夢をかき立てたであろうアイスモナカの袋。スペーシー!

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これは可愛い。スギヤのアイス袋。

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「スギヤ」は長野県松本市にあったお店ですが、ちょっと前にお店を畳んでしまったようです。

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どれもレトロなイラストが可愛いので、お友達に何かをあげるときのミニ封筒として使うと喜ばれます。

以上、昭和の香り漂うアイスの袋のご紹介でした。

 

モアの頭骨レプリカ

うみねこ博物堂の窓際の棚で、ひと際異彩を放っているモアの骨のレプリカ。少なくとも150年以上前にフランスで作られた年代物です。

椎骨の部分が入荷した時の記事がこちら。

hakubutsudo.hatenablog.com

 

 

そして先日、ついにご本尊とでも呼ぶべきものがやってきました。頭部です。

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長さは約18cmほど。あのでかい図体に比べるとずいぶん小さい頭です。いったい何頭身なのか。それより何より、眼窩のあたりの出っ張りは何なのか。鳥としてはずいぶん異様な作りの頭骨です。

 

一世紀だか二世紀だかを経るうちに壊れたときがあったらしく、接着補修してあるのが残念ですが、その跡も異様な迫力を損ねてはいません。

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当時のものではありませんが、木製のステージがつきます。(固定はできません)

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椎骨は形や大きさこそ違えどいくつもありますが、頭部は当然ながらこれだけです。現在、うみねこの本棚の上で主人が現れるのを待っています。(通販にも載せました)

なお、長いこと売れなかったら店主が買います(笑)。だってすごく欲しいんですもん…

1/28、完売しました。誠にありがとうございました。

WHWブローチ入荷

ドイツの冬季援助活動と、その褒賞品となった小物たちについては以前紹介しました。

hakubutsudo.hatenablog.com

 

その後、鳥や蝶、蛾などのブローチが入ってきましたのでご紹介します。

陶器の鳥たち。

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虫たち。

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70年以上前のものなので裏側の金具の出来などはお察しですが、素朴で可愛らしい、妙に魅力的な小物たちです。小さなものが好きで蒐集癖のある店主は見るたびに集めたい衝動に駆られるのですが、まずはお店に出さなければいけないので我慢しています…。

通販にも少し載せました。いずれも在庫は1点ずつですので、気になるものがありましたらお早めにどうぞ。

 

 

 

はくせいの本、再入荷

「はくせいの本 鳥編」が入荷しました。(注:2/17現在、黒と紺のみ)

日本国内では数少ないプロの標本士、相川稔さんによる手作りの豆本で、鳥の剥製の作り方の指南書です。高さ78mm、幅55m、厚さ21mm(外函の大きさ)。千代紙の装丁がとても可愛らしい! そして角背で函入り、栞つき…本好きにもたまらない仕立てであります。

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装丁の色には何色かあり、どれも素敵。

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しかし! これはただ可愛いだけではない、中身も素晴らしい実用書です。相川さんご自身によるイラストで、鳥の剥製の作り方が分かりやすく解説されています。いま手軽に手に入るような本で、類書はないのではないでしょうか。

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時折入るユーモラスなイラストが最高。楽しい。

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相川さんはドイツの標本製作技術の専門学校を卒業後、現地の博物館で7年間標本作りに従事されていたという経歴の持ち主です。その後帰国され、現在は日本各地の博物館に所蔵される標本の製作やメンテナンスを手掛けておられます。ゲッチョ先生こと盛口満さんの著書、「僕らが死体を拾うわけ」などに登場した「ミノル少年」の今の姿…というと、あの本を読んだ方には分かるのではないでしょうか。

 

ちなみに、このはくせいの本を購入できるのは(相川さんご本人が出るイベント以外では)今のところ当店だけです。

 

2/17、再入荷しました。今回は黒と紺色のみですが、通販にも載せておりますので、前回買えなかったという方はぜひご注文下さいませ。

通販サイトはこちら→うみねこ通販:新本

お世話になりました

早いもので、もう2016年も過ぎ去ろうとしています。

今年の5月26日に開店してから、約半年が経ちました。それまでの経緯についてはこちらの記事で回顧しているので今回は省略しますが、ともかく個人的には激動というか、大きな転換点となった2016年でありました。オープンしてからもう半年!? とも、まだ半年しか経ってないのかとも、どちらの感慨もある不思議な感じです。実に濃密な時間でした。

 

オープン前から各方面からのご支援があり、開店後は想像した以上に多くのお客様に恵まれ、小さなお店ですがなんとかやっていけそうな手ごたえを感じつつあります。なくても生活には困らないような商品ばかり扱っているというのに、これは本当にありがたいことです。また、海福雑貨さんやナツメヒロさんを始めとした地域の方々に暖かく迎えて頂いたことも、お店をやってゆく上で心強いものがありました。日頃からお付き合いのある同業の皆さまや作家さん方にも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

来年以降も、引き続きお客様に楽しんで頂けるお店づくりに邁進したいと思います。素敵な商品や標本をたくさんお届けしてゆきますので、今後とも当店をよろしくお願い申し上げます。