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クロカタゾウムシの画期的飼育法

今日もカタゾウムシの話です。どんだけ好きなんだ。

 

八重山限定ですが、日本にもクロカタゾウムシという種がいます。

石垣島西表島に生息しており、全身真っ黒の地味なやつです。

参考↓

isohaetori.exblog.jp

その可愛らしさについて書き始めると長くなるので控えます。

 

このクロカタゾウムシ成虫の飼育はけっこう簡単で、切ったニンジンやサンゴジュの葉などで飼うことができます。ペアで入れておくと勝手に交尾して適当な場所に卵を産みます。幼虫は本来生木の材に穿孔するのですが、各地の昆虫館ではマテバシイの実を餌として累代飼育がなされているようです。

 

我が家でも何年か前から成虫を飼っていて、累代もしてみたいと思っていました。マテバシイの実を使って試したこともあります。しかし、湿度の管理が下手だったのか、どんぐりがカビに侵されたり、ものすごい数のダニが発生したりして失敗していたのでした。

どんぐりでうまくいかないのなら、何か代わりになるものを…と考えていたところ、ひよこまめがふと言い出しました。

 

「サツマイモでもいけるんじゃないかな」

 

やってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

              \ やあ /

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うまくいきました! めでたしめでたし。

 

…いくらなんでも端折りすぎですね。順を追って説明します。

 

まずは大きめのサツマイモの表面に、千枚通しで小さな穴をあけます。ゾウムシの卵が入るくらいの直径で、深さは5ミリほどの穴です。そこに卵をそっと入れます。孵化してしまった初令幼虫がいたら、頭から先に押し込んでやります。なにぶん小さなものなので、先の細いピンセットが必要です。うっかりつぶしてしまわないよう注意しましょう。なんとなく「接種」なんて言葉が脳裏をよぎりますが、もちろんこういう作業を指す表現ではありません。

卵か幼虫が穴に入ったら、ごはん粒から糊っぽいところを少しだけとって、それで穴をふさぎます。脱出と乾燥防止のためですが、これが果たして必要な作業なのかは不明です。ま、念のため…といったところです。

 

あとはサツマイモが傷まないように管理します(放置に近い)。我が家では新聞紙にくるんで、洗濯物ネットに入れて室内に吊るしておきました。できるだけ温度の変わらない場所がよいでしょう。しばらくするとイモから芽がでてくるので、時々「芽かき」をします。これを忘れるとイモがすぐに萎びてしまうので、一週間に一度くらいは確認します。

 

我が家では5月上旬からこの「接種」を始め、一つのイモ(長さ20センチくらい)に十数匹の卵や幼虫を仕込みました。

7月に入り、イモに耳をあてると中でゴソゴソと音がするのに気がつきました。

「う、動いてる!」

この時はちょっと感動しました。お腹に手をあてて、「あ、動いたわ」とほほ笑む妊婦さんのような気持ち…とはちょっと違いますかそうですか。

 

そして8月も下旬のこと、ついに新成虫確認! ゾウムシが自力で出てくるのを待ちきれず、蛹室を暴いてしまった図。

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イモの表面に少しくぼんで柔らかくなったところがあり、ここが蛹室だろうと踏んで開けてみたのでした。蛹室はイモの削りかすや糞を固めてつくってありました。

 

出てきました。

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イモの表面をぺたぺたと歩きます。

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可愛いよ~。

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このイモからはその後もぽつぽつと成虫が出て、計3匹の成虫が得られました。成虫になるまでにおおよそ3~4か月ほどかかったことになります。何となくですが、卵よりも孵化した幼虫を入れるほうが成功率が高い気がします。

色々と調べてみましたが、サツマイモでの飼育例はこれまでに発表されていないようです。それとも、過去に誰かが試しているのでしょうか。考えてみたら、カタゾウムシの幼虫は本来木の根や材部に食い入って成長するわけで、サツマイモでうまくいくのも当然といえば当然と言えます。ともあれ、いかにサツマイモを腐らせずに保管するかがキモだと思います。

 

簡単に増やせることはわかりましたが、あとはうっかり野外に逸出しないよう、きちんと管理しなければなりません。食性を考えれば、本土でも容易に定着する可能性を秘めています。飼育個体が逃げ出して、国内外来種として問題になることのないよう、しっかりと蓋のできる容器で飼いましょう。

 

参考 http://okinawa-repo.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/okinawa/1271/1/401.pdf