手作りはたのし(3)
工作に使えるもの特集、さすがに今回で最終回です。
使い途をなるべく併記しておりますが、もちろんご自由にお使いください。
チェコのガラスボタンは以前もご紹介しましたが、他にも100年ほど前に英国で大流行した黒いガラスボタンもあります。
1861年にヴィクトリア女王が喪服に黒いボタン(ガラスではなく、ジェットと呼ばれる木の化石に彫刻したものだったそうです)をつけていたのがきっかけだそう。
黒いブラウスの中央にずらりと並べたら格好いいでしょうね。大振りなものはコートの一番上に。
同じくヴィクトリア朝の頃の金属ボタンもあります。
レースと組み合わせてコサージュに仕立てれば、気品ある装いになりそうです。
海を越えてこちらはアメリカの品。18世紀中頃に作られたという陶製のビー玉です。
ワイヤーを巻いてペンダントに。
昭和のマッチいろいろ。先日、このマッチを買ってくださったお客様は、箱を表紙に見立てて豆本を作ってらっしゃいました。これは可愛い!
ページの代わりに付箋を収納してもいいですね。
同じく昭和中期の「タイヤー印ミシン糸」と「ダルマ印手縫い糸」。
「タイヤー印」というブランドは今は見かけませんが、製造会社の藤井繊維工業(現フジックス)は現在もある大手メーカーです。木製の糸巻きがレトロで、これ自体も工作やインテリアに使えそう。
ダルマ糸の横田株式会社は1901年創業の老舗。ダルマ印ブランドも現役ですね。台紙をよく見ると、ものによっては「エジブト棉」になっているのが気になります。
どちらの糸も経年によるシミや汚れはありますが、強度はしっかりしているので使用に支障はありません。あえてシミの残る糸を使ってレースを編むと、アンティークのような仕上がりになります。現行品より安いので、縫物の練習に使っても。
最後に、「これって何に使うんですか?」と聞かれる率ナンバー1、ヤマアラシの棘。標本の使い道を問われても困るのですが、何かに使えそうな形ではあります。
ちょっと何かすれば何かになるかも。何にします?(何多すぎ…)
何を作ろうか、何が作れるか悩むのも、手作りの醍醐味です。
工作とは長らく無縁なひとも、プロの造形作家さんもどうぞいらっしゃいまし。