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ドイツ箱のこと

先日の記事では、何の解説もなく「ドイツ箱」と書いてしまいましたが、今回はその箱について書いてみたいと思います。

 

大切な昆虫標本を、どのように保管するか? これは重要な問題です。

まず標本の敵は何かというと、虫による食害、湿気に伴うカビ、紫外線などが挙げられます。中でも最も恐ろしいのが虫害です。室内には、カツオブシムシシバンムシチャタテムシなど、標本を喜んでかじる連中がたくさんいるからです。紙箱やゆるい木箱で標本を保管していると、遅かれ早かれ虫に食われてしまいます。昆虫標本は、きちんと管理すれば数百年はもつものなので、これは実に勿体ないことです。

 

そこで、虫や湿気を通さないような標本箱が必要とされます。中でもドイツ箱と呼ばれるものは気密性が高く、きっちり閉めると容易には開かないほどです。この気密性が、標本を虫害や湿気から守ってくれるのです。

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これがドイツ箱。 

 

ドイツ箱とは言ってもドイツ製というわけではなく、「ドイツ式の標本箱」くらいの意味合いです。美しく塗装された木製で、蓋の上面はガラス張りです。国内のメーカーで、専門の職人さんが一つずつ手作りしています。

サイズはいくつかありますが、最も一般的なのは大型ドイツ箱と呼ばれるもので、だいたい51×42×6センチほどです(各メーカーにより、数ミリの差があります)。全国の博物館や研究機関も、ほぼ例外なくこの規格を導入しています。うみねこ博物堂でもこのサイズを使っています(開業したら、ドイツ箱自体も店頭で販売する予定です)。 →現在、大から極小までの4サイズをお取り扱い中です。

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このように、蓋と本体の凹凸がきっちり嵌まるようにできています。

ひと箱ごとに微調整して作ってあるので、他の箱の蓋との互換性はありません。それどころか、正しい組み合わせの箱と蓋であっても、向きを間違えるとうまく嵌まりません。合わせ目に印が付けてあるので、蓋の向きを逆にしないよう丁寧に閉めましょう。また、蓋を開ける際は一方向からいっぺんに開けることはせず、四隅から少しずつ、均等に蓋を押し上げてゆくようにします。偏った力がかかると合わせ目が歪み、その後狂いが出るためです。

 

標本を収めたら、防虫効果をより高めるため、箱の隅にはパラゾールなどの防虫剤を入れておきましょう。乾燥剤を入れるのもお勧めです。

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ドイツ箱は、桐製の標本箱に比べるとちょっと値は張りますが、大切な標本を保管するためには欠かせない用品です。何よりも上面がガラスなので、コレクションを眺めて楽しむことができるのは良いですね。

以上、簡単ではありますが、ドイツ箱のご紹介でした。

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